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極楽蝶華

 



「で、何で僕は悠紀仁に会えないのかなぁ?
獅子緒だけ我慢無しって酷くない?僕も悠紀仁に日常的に会いに生きたいんだけど。」


そ……その話題まだ継続中でしたか久遠先輩!!


「えーと……だから、奈緒先輩とか……生徒会の人は近くにいると周りが……色々、言うし……」

「そう。じゃあ、うるさくなければいいんだね?」

「え?」


待ってました、とばかりに後を続ける奈緒。


「楽しみにしててね、週明け。」

「え?え?」

「……一日中、ひっついててやるよ。」

「俺も……悠紀仁のクラス行こ〜。」



そ、それイコール俺のクラスなんすけど……ッ!!



「……ふざけんなよ。来なくていいっつーの。」


も、揉め事起こすな不動コノヤロー!!


「え……な、奈緒先輩、……と、俊と猛さん……教室に来るの?」


キョトン顔の悠紀仁。

今更ながら事態の流れを掴んだらしい。


「……駄目?」

「え?」

「悠紀仁は……僕が会いに行ったら……嫌?」

「そ、そんな訳無いですよ!!」


駄目だ!!
その悲しそうな顔は……本気だろうが、少なからず同情誘うように振る舞ってるぞその人は!!


「なら……獅子緒は良くて僕は駄目?僕の事は嫌い?」

「違ッ……
俺、奈緒先輩の事も、好きですよ……ッ」


一瞬、頬が緩んだ。
あの鉄仮面の王子も好きな子の不意打ちな可愛い発言には弱いらしい。


「そう。じゃあ、僕も周りの馬鹿ども何とかしとくから悠紀仁に会いに行っていいよね?」

「あ……」


悠紀仁、墓穴を掘る。


「それとも……やっぱり、嫌?」


駄目だアイツ基本お人好なのに。
優しくて甘くて……あんな言い方されたら断れる筈……

「違……います。
嫌なんかじゃないです。」



無かったな。うん。



……あぁ予想通り。

でも……まぁ、あの人達にとって悠紀仁は……好きな相手、なんだ。


これは、良い傾向。
会長も琉崎副会長も久遠先輩も不動も……獅子緒先輩も。


最近、噂とか聞かないし。

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あきゅろす。
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