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極楽蝶華

 




「なッ……それに、お前全然授業出てないじゃん!!
昨年度の出席日数全部足しても23日ってどういう事だよコラ!!」



あれ、そんなに来てたんだ獅子緒先輩。


むしろその結果に少しびっくり。



「ククク……コイツ、サボり魔だから。
学校なんか来るとそらもう珍しいからスゲェ騒ぎだもんなぁ……?」


お前がそれを言うか俊。


貴様こそ出席採ったらスグに消えているだろう。



「……お前さぁ、学校卒業する気あんのか?」


「あ、あるある。
ってゆーかユウがこのがっこに居るって分かってから俺皆勤だよ?」


「嘘付けよお前俺べったりでろくに授業出てないくせに。」

ずん、と……この部屋の空気が重くなった。


一般Peopleな彰はもう限界が近い。



「……何。コイツ悠紀仁の教室まで押しかけてんのか?」

「僕は悠紀仁が嫌がるからそうそう会えないのに……獅子緒だけズルくない?」

「獅子緒も人気あんじゃん。何でコイツは悠紀仁に易々会える訳?」



「ぇあ、その……」


は、とした顔して視線を泳がしてうろたえながら言葉を探す悠紀仁。

依然重たいままの空気に、更に重くなった話題に肩を落とす彰。


……アイツ……あの様子じゃ獅子緒先輩がランキング3位だって忘れてたんだな。日常的に。



「……だ、だって猛さんとか奈緒先輩が近付くと俺スッゴイ陰口叩かれるけど……
別にレオが側に居ても周りは何にも言わないし……」



言わないんじゃねぇんだ。
言えねぇんだよ悠紀仁。



……お前はその人昔の姿知らねぇんだろうけどな……

そう。

「うるせぇ」
ってだけで人を半殺しにする人間の周りでそうそう声を出せる筈が無い。


モーションかける側も機嫌の良いとき狙ったりご機嫌伺ったり気を擦り減らす作業だし。

でも何かあの猛獣を好きな方はその「危ない匂い」がイイらしい。

信じらんねぇよ。
俺は自分の胃の方が可愛い。

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