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極楽蝶華
あいつとばったり
 

座ってる奈緒先輩に身を屈めてほっぺに軽く口付けた。

……何ですかその顔わ。


『まだ何かあるんですか?』

「ここ」

奈緒先輩が指で自分の口を指す。

『は?』

「ここにしないと、駄目。」

『キスは嫌です。』

「……どうして?」

『変な噂立てられたら堪りません。』


うぅ……ブラックが出てきたが、……ここで引いたら負けだ!!特に男として!!(切実)


「じゃぁ抱っこでいいや。ここおいで。」

膝をぽんぽんと叩かれ、しょうがなく膝の間に座った。

悠臣(親父)にもされてたし、こんくらいならいいか。

後ろからすっぽりと包まれるようにひっつかれた。


『……暑いんでもぅいいですか?』

「中に入る?」

『そうしてください。』

「じゃあ僕の部屋で続きしようか?」

『……やっぱりいいです』


え?続きって何?貴方何する気?


あーもー後どんくらい経ったらこの人が飽きるだろうか、と不毛な事を考えていたら……


寮の中から


今このかっこで会いたくない奴第二位に見事ランクインしてる。

春日不動君が;


喧嘩売られた奴に男に抱きつかれてる姿なんて見られたくないお。

向こうもこっちに気付いたらしくすごい勢いでこちらに走って来ている。


『奈緒先輩。ほんとに眼鏡どこに隠しました?』

「ここにあるよ。」


あーその紙袋がそうだったんですねー。

ひょい。

『……意地悪しないで返してくださいってば。』

肩越しに文句を言おうと振り向いて、そこにあった奈緒先輩の顔に至近距離でブーイングをした。


なんか顔赤くして口パクパクするだけで取り合ってくれない。


やっとのことで取り返して『ちょっとほんとすいません今逃げ出したいんで』って言って立ち上がるともうそこに不動君が。しかもメンチ切って来てて。


なんだし貴様。
喧嘩なら買うぞこらー。

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