極楽蝶華
2
……さぁーてどっちでしょうか。
分かるかよこんちくしょう。
いや……でも、分からない、ってこともあるんじゃないか?
「これが出てくる」って先入観でいたら気付かないんじゃ?
だって俺紅茶とか違いわかんねーもん、……わかんない、んじゃねーの?
……気付かなかったら……いいなぁ、とは思うが。
いや……それは俺の都合のいい妄想で、あの人に限ってそれはあり得ない。
だって俺、授業で聞いたことあるもん。茶道嗜む人ってお茶っ葉の産地とか、お茶立てるのに使った水の地名当てたりすんだろ?!
違うの出したらバレるに決まってんじゃねーか!
アホか俺は!
一瞬でもごまかせるんじゃ、とか思った俺がバカだったな……
やっぱ聞こうかと思いつつもう一度覗いて……覗いて……
悠紀仁を会長の膝に取られたらしくかなり不機嫌そうな久遠先輩。
聞ける訳ねぇッ!!
絶対八つ当たりされるよ俺ぇ!!
『……聞き間違った、っつーことにしよう。』
忘れた……よりかはまだ傷が浅い気がする。
……直感で、プリンスオブ何とか。
よし。頼ろう。
……自分の勘に。
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