極楽蝶華
集団催眠←結論
「え……ユウ、待って待っ……」
「うっせぇエロ猫ぉっ!!」
「ごめんなさい、ごめんなさい……ユウ……許して……」
「……ばか れおぉっ……」
ドップラー硬化を伴い走りながら遠ざかる喧騒に、彼等は
【果たして今のは本当に現実の出来事だったのか】
と、かなり大まじめに考えていた。
……白昼夢?
それはそれで、嫌だ。
腐ってもこの学園に入学できた頭。
人の見る夢に、本人の無意識下での意識が働いているのは知っている。
ということは、自分は獅子緒さんがあんなキャラである、と思っていたのか……?
いや、有り得ない有り得ない。
考えただけで頭上から踵が振ってきそうだ。
……なら、幻覚か?
昨日酒を飲んだのが悪かったのだろうか。まだ酔いが残っているみたいだ。
「……お前ら、今、見た?」
「……お前は今何が見えた?」
「……何か……甘えたの……うん。」
「すげぇ甘えて……」
「……ごめんなさい、か?そう言ってた?」
全員、頭の中で【ごめんなさい】を変換してみる。
勿論当て嵌まる漢字など無く、片仮名にしてもアルファベット表記してもその音は謝罪の意味を表す。
「……これから坂本の部屋で……酒飲まない?」
「いッ……いいねッ!!」
「行こう!!飲もう!!」
「そして全部忘れよう!!」
「でなきゃ……集団催眠だよ。」
心持ち皆さん顔が青い。
【あの獅子緒圭介、……が……惚れた?!しかもメロメロに?!】
4人を支配してるのは……以下略。
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