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極楽蝶華
……なん、で?
 




「んっ……んん!!
……ぉ、れぉ、やぁっ!!」


急に、顔を逸らして強い抵抗をされた。


俺のシャツを掴んでいた手が、ぐいぐいと胸を押す。


『ユ……ウ、何で?』

「や……!!馬鹿、放せ!!」


いやいやと頭を振る顔を覗き込んだ。
……抱きしめた腕を解けぬまま。


命令に、背いたのは、……初めて……だ。
さっきみたいなのじゃなくて、今は全身で俺の抱擁を拒絶している。


『ユウ……何で?何で?イヤなの?』


胸を押してくる手が、その下の心臓まで押し潰す。


俺に掴まれたままだった手を振り払って、顔を隠すように目元に宛てて俯いてしまった。




『ユウ、……何でぇ?』




俺の事嫌い?


って




聞く事さえつらすぎて喉が焼けたみたいにヒリヒリして、言葉にならなかった。



キスする前からずっと泣きそうだったけど


今は


なんだろう、もっと苦しい。



ユウの唾液で濡れた唇が、空調の風に晒されてひんやりと体温を手放した。

パシンッ

渇いた音が、俺の頬から鳴る
一瞬置いて、ひりひりした痛み

現状を捉えて、更に涙が溢れた。


「……んで、なんですぐ離れねぇのバカァ!!」


初めて本気で叩かれた

ユウが、俺の事拒絶した。嫌がった。


「……ッとか言えよっ!!」


必死で俺の腕から逃れようとするユウを、無理矢理抱きしめた。


ごめんなさい。
今回だけ腕力に物を言わせます。


『……だぁ……ッ!!』

「放せッ……」



『……ユウ、俺の事、嫌いになっちゃヤダ……ッ!!』


もう、立ってらんない。
膝から崩れ落ちて、それでもユウには抱き着いたままで

床に膝立ちになって、ユウの胸に顔を埋めて泣いた。

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