極楽蝶華 3 「それは残念だなぁ……じゃあ、放課後悠紀仁の部屋に行くよ。」 また周りがうるさくなる。 ……っこの人こーゆー発言すると周りが騒ぐの分かってて、俺が嫌な顔するの面白がってないか?! あの黒い笑顔で分かってないはずがない…… 『いえ、今日……放課後は予定があって外出するので。』 スーパー行かなきゃ。 「えー……つまんないなぁ。何するの?」 『夜から自炊するんでスーパーに食材買いに行くんですよ。』 本当だよ。 「じゃあ僕も行くね。連絡してよ。教室に迎えに行くからさ。」 『一人で平気です。』 初めてのお使いか? 「駄目だよ。平日は生徒会の許可が無いと外出できないよ?」 『……じゃぁ今ください。許可だけ。』 「一緒に行ってくれないと出さない。」 ……子供ですかアンタ。 『……わかりましたよ。』 ハア…… 「じゃぁ放課後迎えに行くねー。」 と言う明らかに面白さを隠しきれて無い奈緒先輩の声を背に、社交辞令的なあいさつをしてやっとこさその場を離れた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |