極楽蝶華 2 ヅラに押し込められていた髪の毛の間に指を入れて、バサバサと少し空気を送り込んだ。 『あ〜、あちー。……どーよ。これで満足ですか?』 顔を上げて覗き込んだ。背ぇ高ぇな。コイツ。 …… 『おーい。』 涼……涼凰寺?城?、だったっけ? ってホスト(担任)がいつまでたっても次のアクションを起こさないので、目の前で手をひらひら振ってみる。 「……あ、あぁ…… いや、――予想通りじゃなかったな。――」 ……なんだそれ。 最後の方小さく言ってたけど聞こえましたよ? コイツの頭ん中では【眼鏡を外すと美少女でどーたらこーたら】ってゆー漫画などでお馴染みの設定でも予想されてたんですか? 『ご期待に添えなくてわぁーるかったな。』 「……いや、違うって。期待どころか……うん。スゴイ、な――」 『……何がだよ。』 苛々。 (#^∀^)ビキビキ 「……え??まさか……おまっ――無自覚か?」 なんのこっちゃねん。 きょとんとしていると、……りょ…涼凰……なんとかが、続けた。 「……なぁ、よく街で声かけられたりしなかったか?」 あ、予想以上に派手な髪色だから驚いてんのか?確かに茶髪は多いけど無色に近い銀髪なんて普通いないからな。 実際俺だって自分以外に見た事ないし。 『んなもんしょっちゅうだったよ。俺やんちゃしてたからね。【どこ行くんだ?】とか【今暇?】だとか……よく喧嘩売られたし、ガン飛ばされるなんて日常だったし。 でもこれ髪も眼も自前なんで。肌弱くて髪染めらんないんで見逃しといてよ。』 悪戯っぽく笑ってみせる。 と、ホスト(涼凰なんたら)の顔が一気に赤くなり、まじまじとこっちを見てきた。 眼鏡を胸ポケットに差してカツラを被ろうとしたら、いきなり手を掴まれて。 すこしびっくりしてこの意味不な行動の主の顔を見上げた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |