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極楽蝶華
次の時間は
 


 

『そぃやぁさ。次何よ。次。』


昼飯前は頭がよくはたらかねぇーから理数系科目が来たらやだなぁ、と。




「えー……と。せ……かぃ、し。」



―ッ……ドク、ン……―



理由は分からないが不穏な空気に訝しげに眉を寄せる圭介。
俯いたまま顔を上げようとしない悠紀仁と不動の間に嫌な沈黙が流れた。



「……野村は……クビんなったから。」


『ん。』


「俺サボるから。付き合え。」


『……ん。さんきゅ。』



敢えて、自分の所為にしてくれたぶっきらぼうな優しさが嬉しかった。


「じゃあ俺も。」

『平気なんかよ。』


「今日は悠紀仁と一緒にいたい。」



ふ、と窓の外を気にするそぶりを見せて、隠すように顔を覗き込んで来た。




……あの事を気にして、気遣ってくれてるのだろう。



今日、夕立が来そうだから。




……甘えたがりのこの友人は、何処か勘が良いから。


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