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極楽蝶華
人生は不公平だ
 



テーブルの上に広がる料理に一通り目を巡らせた猛さんがぽつりと呟いた。



「それより悠紀仁……よく食えんな。そんなに。」


『タダだも。』



「お前……そんな細いのによく入るな。その量が。」


『うっせーな細ぇの気にしてるんだからわざわざ言うんじゃねぇーよ。』


鍛えても中々筋肉つかないんだよ。


テメェ-みてぇにがっちり背ぇ高い筋肉バッチリついた男にはわかんねぇだろーがなぁ……



あ、やめよ。


ちょっと情けなくなって来た。




しょーがねぇーよ。
家系が違うもん。


有り余って成長してる兄弟をちら、と見遣って食べ終わった麻婆豆腐の皿を他の空になった皿の上に重ねた。


「悠紀仁は抱き心地良いからそのままの方が良いよ。」

「お前に筋肉は似合わねぇーって。」



『……散々言ってくれやがって……いつか上から見下ろしてやるからな。』


「無理無理。俺未だに背ぇ延びてるし。」



『えっ……?!な、……ズッッリィ不動っ!!ちょっとよこせよこのヤロッ!!』




人生は不公平だ。



……牛乳飲もう。





カルシウム摂取を固く誓ってとりあえず口の中のものを飲み込んだ。

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あきゅろす。
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