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極楽蝶華
粘膜に刺激物はよろしくありません
 
 
「「「「キャァァァァアアッッ!!」」」」



下から沸き上がる大歓声にビビってピリ辛のエビチリが鼻に回って大変な事になってしまった。



『だ、ぁっ……イッッテェ〜!!』


ごほごほと咳込む背中を両サイドから撫でてもらった。



唐辛子が染みて涙が出て来てきて、それをなんとかしようとひんひん鼻鳴らしてみた。

だけど、意味無い。痛い。
ピリ辛コノヤロウ!!



「大丈夫?悠紀仁。」


「……チッ……呼んだのかよ……」




にっこり満面の笑みの奈緒に反して、急に苦虫噛み潰した様な顔をする不動。



『いたぁ……』


それに気付かず、鼻をふくすんふくすんと鳴らしながらしゃくり上げる悠紀仁。



それでもまだしっかり食べるかお前。



「よ〜ぉ……オハヨ♪」


「ミナサンお揃いで。」



2階席に続く階段を憎らしい程の長身が二つ、ゆっくりと登って来た。






『オハヨ……二人とも。』


さっきの騒ぎの原因である瓜二つの双眸の持ち主達に恨みがましく視線を送ってぶーたれてみる。


ヒリヒリする鼻はまだしばらく痛みそうだった。

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