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極楽蝶華
俺は、お前限定。
 
 


「ごめ……不動……、ごめん……」



抱き抱える腕の中から、唐突に名前を呼ばれた。

「……俺……お前にこんな事までさして……
……ゴメンなぁっ……?」


最後の方は搾り出す様に、掠れて


「気ぃ……遣わせちまったみてぇで…俺サイテーだ…

…ホント、悪ぃ……ゴメンな……。」


違ぇ。

違ぇよ。

何でお前が謝んだよ。


「ホント……もう平気だか『ヤな訳ねぇだろっ!!』」

身体を起こそうとする悠紀仁を押さえ付けて、上から覆い被さる様に抱き着いた。

『嫌々な訳……ねぇだろ……』


皮膚の薄い目の周りが、紅く色付いている。

唇も、いつもより鮮やかな色をしていて


胸の突起や

下腹部

腿の内側も


全部喰っちまいたかった。





『……お前は……嫌じゃねぇの?』


手の平に、じっとりと汗が滲む。

「……びっくりした、けど……
嫌じゃ、ねぇよ。……お前なら。」



甘すぎるだろ。
悠紀仁、簡単に喰っちまうぞ?


……でも、お前は
許しちまうんだろうな。
気持ちが通じないうちに、なんて死んでもやらないけど……


その言葉だけで

『俺もだよ……』

もう

『俺も、お前だから嫌じゃねぇんだよ……』


頭ん中真っ白になるくらい、嬉しいよ。




俺は、お前じゃなきゃ嫌だ

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