極楽蝶華
どうしたら信じてくれる?
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スウェットを一気に引きずり下ろして、手に握ってたモノを口に入れた。
「……っあ?!
ひぁ、……ぁ、や、めっ!!」
舌に、悠紀仁の脈を感じる。
粘膜越しに、薄く桜色に染まった肉茎から熱が伝わって、物凄く興奮した。
腕を回して引き寄せた腰は、細くて、小さくて……
力でも入れたら簡単に折れてしまいそうだった。
ヤバイ。ヤバイ。ヤバイ。
何でだ、コイツがすげぇ愛しい。
こんなに……こんなに好きだったのか。俺は。
悠紀仁の足を無理矢理割って、その間に身体を入れて顔を向き合い、口を開いた。
『ヤじゃねぇ……っつったろ?』
呆然唖然、と言った顔をしている悠紀仁
現状把握が出来てないらしく、しばらくそのまま固まっていた。
行為を再開しようと、細い脚の間に頭を下げて手の中に握り込んだ悠紀仁の先端に口付けた時、俺の耳に何かが聞こえてきた。
「……うっ……ふ、ぅ゙ぅ゙……」
身体が小刻みに震えているのに気付いて顔を上げると
両手で顔を覆って悠紀仁が泣いていた。
途端、心臓が大きく跳ねて頭に響く大音量の鼓動に息が詰まる。
背筋が凍った。
胸が痛くなるくらい締め付けられる。
……短絡的に、安心させたいと、したいことをしてしまった自分を悔やんだ。
『嫌……だったか?
……ごめん……』
罪悪感が喉を落ちて、胃のあたりでじんわりと鈍い痛みを広げた。
顔をおおった細い指の間にへた、と垂れ下がった眉が見えて
両手の平を押し付けた目の辺りは水滴が濡れて、
さっきのキスの余韻で濡れていた紅い唇は半開きに歪んで、小さく、小さく泣き声を漏らしていた。
自分で、ノーマルだっつってた。
いきなり、何やってんだよ。
こんな事されて……落ち着く訳、ねぇだろが。
……昼、無理矢理されそうになったのに……
俺がまた手ぇ出してどうすんだよ。
『ご……ごめ、……。』
なんにも思い浮かばなくて、とりあえず抱きしめた。
お前からしたら、俺は友達なのに……
そう思って頼まれたのに、調子乗っちまった。
ゴメン。
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