極楽蝶華
ダメなのはわかってる
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自分がツライからって、
忘れるために友達にこんな事頼んでいい訳無いって、分かってる。
けど、
体中に野村の手が這う感触は少しずつ薄れて
記憶から生まれた吐き気は、だんだん治まって来た。
『……こんな事頼んで……
…………ごめん…』
「お前は悪くねぇだろ。」
腫れ物に触る様な手つきでも、そう言ってくれた事が優し過ぎて
……俺、寄っ掛かっちまってゴメンな。
我が儘だけど
今はあの男の手の感触、忘れてるから
手の平がスゲェ暖かくて
首筋に触れる唇は絶えず
「大丈夫」
をくれて
ゴメンな、不動。
俺、我が儘で、ゴメン。
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