極楽蝶華
2
『……舐められた……?』
一度だけ、浅く頷いた悠紀仁の首筋に顔を埋めた。
白に咲く、自己主張の激しい紅。
その上を舌でなぞり、ひとつひとつ上からまた口付ける。
濡れた音がして、口が離れると
尚一層濃く、鮮やかに色を放つ紅。
隣にある痕に口付けて、色濃く痕を刻む。
また一つ、もう一つ……
真っ赤に熟れた突起に唇が触れた時。
しなやかに、背中が弓なりにたわんで
「…………っん……」
微かに、声が漏れた。
顔を上げて、涙を浮かべる瞳と向き合う。
『……怖いか?……平気?』
「お前なら……平気。」
不謹慎なことに、その言葉にスゲェ嬉しくなって
頬に添えられた手を取って、指先から手の平、肘の内側まで音を立てて啄む様なキスをした。
「んっ……ぁ、んンっ!!」
『ここは……された?』
「……されてねぇ。くすぐったいよ。」
ふに、と
とろける様な極上の笑顔。
あぁ、そうだ。
やっぱり、俺、お前が笑ってる顔の方が好きだ。
泣きそうなくらい幸せな気持ちになる。
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