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極楽蝶華
勘違い?何の?
 
 

『いや、下ろせって。歩けるっつってんだろ。』


「やぁ〜だね。折角だから勘違いさせとく。」



誰に、何のだ。




『ま いいや。早く行こ。

ここうるせぇ。』



「ほいほい。お姫様は我が儘デスネ。」




その言葉に、目の前の唇に付いてたボディピアスを引っ張った。


「あだだだだだだ。」

『誰に向かって。
どの面下げた姫だヴォケ目ぇ腐ってんじゃねぇーの?』



憐れみを込めた眼で不動を見上げた。



「……無自覚……」


『ぁんだよ。』


「なぁんでもね。俺の部屋行くぞ。」



俺の部屋でもあるけどね。



『うわ、お前ヘソにピアスって止めれ。前から思ってたケド見てて痛い。』

「前?」

『一緒に風呂入ったじゃん。』


「……あぁ。」



何でそんな嬉しそうな顔。



『服脱ぐ時とか引っ掛けそうで怖くね?
ピッ、てやったら切れそうじゃん。こんなデケェのさ。』


あ、想像したら痛い痛い。



「……痛いの怖い?」


『そらそうだろ。てか開けるとき痛くなかったか?』



ピタ、と立ち止まってにっと笑う不動。


「最初ちっちぇーヤツ入れてそっからだんだん拡張してくんだよ。穴。」


『……声いきなりデカクない?』



心なしか周りが更にざわつき始めた。


「気のせいだよ。っら、行くぞ。」




やっと談話室を後にした。

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