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極楽蝶華
【彼氏の家にお泊り】じゃねーから。
 
 
『俊とかの親衛隊がただでさえめんどくさいのにお前まで問題増やすなよっ!!
結構うるせぇーんだぞアイツラァッ!!』



それでも構わず俺にワイシャツ巻いて自分で隠す様に抱きついてくる。

「いいから……足隠せお前。風呂の件については後で聞くけど

下どうしたんだよ。」


『下ぁ?』


「……何でワイシャツ一枚でこんなトコいんだよ。」


『履いてるよ下。ホラ。』



ワイシャツの裾を捲くり上げて下に履いてる短パンの存在を主張してみた。


―ガタガタンッ―


周りの何人かが椅子から落ちて、赤い顔をして前屈みに走り去って行く。



「バッ……カおめぇ肌見せんな!!」
『何で俺が素肌にワイシャツなんて【彼氏のうちにお泊まり】的な格好しなきゃなんねぇんだよっ!!
下履いてるに決まってんだろ女じゃあるまいし!!』



一気に言い終わって、笑いを取ろうとしてした発言は静かな談話室の中に吸い込まれて行った。




「もー何だよお泊りとか男が言うなしぃー。」


トカ

ツッコミを期待してた俺は正直戸惑って。
この滑った感満載な空気にいたたまれなくなって。



『……ぼけたんだからツッコミしてく……ってさ、不動顔赤いケドどったんよ?』


「……お泊り……お泊りトカ……
ヤベェかなり可愛いっ……!!」


なんか赤い顔でぶつぶつ言ってて上の空。



『いいけどさ。早く部屋行くべゃ不動。
さっさと部屋行って久しぶりに二人でしよう。』


「え……?!な……にを?」



不動が素っ頓狂な声を上げた。周りもざわつく。


『これこれ。』


左手に漫画を抱えてたので、右手でプレステのコントローラーを握ってボタンを押す真似をした。




「だぁー!!
春日羨ましぃー!!」

「俺のも握ってぇー!!」


周りが一層騒ぎ出す。



握る、て何をよ。コントローラー?




「……ゲームね。」


俺に聞きとれるくらいの音量でぽつりと呟くと、俺を抱え上げて歩き出した。

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あきゅろす。
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