[携帯モード] [URL送信]

極楽蝶華
そんなひどい格好か?
 


『あれ、不動じゃん。
どったの?んな息切らしてさ。』


不動の登場に、俺にベタベタしてきてた二人が急いで離れていった。



「……お前……
なんて恰好してんだよ。」


自分の恰好に目をやる。

奈緒先輩に借りたワイシャツ。座ってるせいで完全に隠れて見えない短パン。



風呂上がりに暑くて第三まで外してあるボタン。



……別にみっともない程じゃ無いと思うんだけどなぁ。もっとだらし無い恰好のヤツ結構いるし。

この前誰だか上半身裸でうろついてたし。


『しゃーないだろ。奈緒先輩に借りたからサイズデケェんだよ。』



だぶだぶの袖を少し捲くって漫画を膝に乗っけた。



「……はっ??
つか、何で借りて……?」


『風呂入ったから。
着替え無いから借りたぁー。
……な、不動先部屋行ってろよ。全部読み終わったら俺も行くから。』




また漫画に集中し始めたらいきなり白い布がバサァッ、と足に掛けられて、それを巻き付けて抱き上げられた。


『は??何すん「前留めろ!!」』

『だからな「ワイシャツ!!」』


気迫負けして、素直に(あっけに取られた、とも言う。)ボタンを留めた。



『いきなりなんだっつーの……てかお前上裸じゃねぇか。何やってんだよ?』


自分の腰から下に巻き付く白い布をよく見ると、どうやらこれがワイシャツらしい。不動の。



「春日くぅーん。ズリィよ自分だけオイシイ思いしてさぁー。」

「俺まだ写真撮ってねぇんだからなぁ。」




「うっせ。見んな。
汚れる。……部屋行くぞユウ。」


『つぅかさ、下ろせよ。自分で歩けるっつーの。』



身をよじって無理矢理腕を解き、床に下りてワイシャツを不動に叩き返した。

[*前へ][次へ#]

69/301ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!