極楽蝶華
我慢の限界
『じゃ、悠紀仁また明日。
湯冷めしない様にねー。』
「はーい。おやすみなさい奈緒先輩。」
『うん。おやすみ。』
―パタン―
あー……
僕スッッゴイ頑張った。
……ホンネで言うと泊まらせていきたいし、あんな不安定な状態で帰したくないんだけど……
我慢も限界。
僕の理性があるうちに、部屋に帰そう。
あんな恰好見せられたらむしろ毒だ。
……毒……
……チックショッ。
自分の事にいっぱいいっぱいで悠紀仁あの恰好のまま帰しちまった……っ!!
急いで扉を開けて後を追うがもう既に姿は無くて
エレベーターは無情にも3階に赤いランプがついたまま静止していた。
……何事も無く部屋に着けたとしても……
部屋の中にも狼が……
春日は、事情を知らない。
理性がぶっ飛んでも仕方ないかもしれないが……
今、手を出させる訳にはいかなかった。
イライラしながら、エレベーターが上がってくるのを待って、無駄だと分かってるけどボタンを何回も何回も叩くように押した。
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