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極楽蝶華
まだ、怖い?
 



華奢な肩が、小さく震えた。



「野村……は、触って来るだけで怖くて……気持ち悪かったけど……」




「奈緒先輩の手は……好き。」



『そう……。
身体を繋げる、っていう事はね。怖い事じゃないんだよ。』



再度首筋に唇を落とし、耳元までゆっくりと滑らせた。


小さく、声が漏れる。


『でもね、あいつのせいで悠紀仁が人に触られる事に拒絶を出し始めてる。』


昔の僕みたいに。


「俺っ……そんな事……!!」


『うん……分かってる。自分じゃ気付かないんだよ。』

気付け無いんだよ。



涙が滲んで、キツク目を閉じて俯いて……すぐに怯えた様に瞳を見開く。



腕の中で、小さく呼吸を整えている。


『目を閉じると……また、思い出して……怖い?』




一瞬こちらを見て、力無く瞼を閉じた。



「……なんで……分かるのっ……?」


濡れた頬の中に涙が吸い込まれて、見えなくなった。



『……僕も同じだったよ。』


 

ふ、と


淡い灰色が僕を見つめた。




『僕も、昔……悠紀仁と同じ目に遇ったよ。』


驚いた様に見開かれた瞳が、戸惑いに揺れて。




お互い、何も着てない上半身をくっつける様に


抱きしめられた。

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あきゅろす。
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