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極楽蝶華
バスタイム
 



「俺肌弱いからタオルで擦れないんですよー
あ、いつもはスポンジ使ってるんですけどね。」


って、乳白色の(重要)粘性のある液体(ここも重要)を手に取ってくちゅくちゅ泡立てて身体中に塗り付ける悠紀仁。




なんか

一人我慢大会

みたいな。





ほんとぉ〜……っに。

ツライ。




でもやっぱ欲望には勝てなくて

『背中洗おうか』

って聞いちゃったり。






ボディソープ越しに悠紀仁の体温が指に伝わる。

背中に、所々出来てる擦り傷が滲みるらしく、時たま小さく息を飲んでいた。


『……背中、滲みる?』


湯を浴びてほんのりと色付いた首筋に唇を落とした。


「……平気ですよ。俺、喧嘩ばっかりして生傷絶えないんで。いつもの事です。」

少し、弱々しく微笑う悠紀仁の上半身には

所々に小さな鬱血の痕があって



……存在を主張するその痕跡が忌ま忌ましかった。



「……俺泡ブロ初めてなんで嬉しいですー」


肩まで、ボチャンと一気に浸かって、見ただけではしゃいでるのがわかる。可愛いなぁ。


『お風呂好きなのに……入ったこと無いの?』


「あー……何か、何処で売ってんのかよく分かんなかったし。」



『ふぅーん……
じゃあ、またおいで。入れてあげるから。』



「ホントですか?
俺広い風呂好きだから嬉しいです!……ありがとうございますっ。」



自分も頭に付いた泡を洗い流して、浴槽に浸かった。


「……なんか近くないですか?」


『そうでもないよ。』



向かい合って、太腿から脚を絡ませて悠紀仁の体ごと引き寄せた。



「……恥ずかし……く、無い……ですか?」




段々と近付く互いの距離に目を逸らす。
その目元がほんのり色づいてて、スゴイ奇麗。



『恥ずかしく無い。』



「俺ぇ……はちっと……恥ずかしいんですけど……。」



浮力も手伝って、腰を掴んだ手が易々と悠紀仁を膝の上まで運んだ。





髪の毛の張り付く、細い首を伝ってうなじまで唇を滑らせて、顔を覗き込んだ。

『……怖い?』

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