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極楽蝶華
よかった。ちゃんと笑えてる。
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『どお?悠紀仁。』


「スッ……ゴイ美味しいですっ!」


口一杯に頬張りながら、目を輝かせて返事をする悠紀仁。
可愛いなぁもぅ。


『そう。悠紀仁が嬉しいなら僕も嬉しいな。』



良かった。ちゃんと笑ってる。



『おかわりいる?』


答える代わりに、満面の笑みで何回も頷く。




可愛いなぁ。








さっき、悠紀仁が野村にレイプされた、って聞いたときは目の前が真っ白になった。


「でも、俺から聞いた事は言うな。悠紀仁が気ぃ遣っちまうだろうからな。」




スゴイ怖かったんだろう。

腕の中で小さくなって。



でも、僕にしがみついて震えながら泣いてる姿は不謹慎だけどそのまま押し倒したくなるくらい可愛かった。


「二人にキツク抱きしめてして欲しい。……今だけでいいから甘えさせて?」



そりゃもう好きなだけ。



いくらでも抱きしめてあげる。





話は聞いたけど、挿れられなかったのは良かった。

初体験が強姦、なんて悠紀仁にはそんな思いさせたくない。




「……ごちそうさまでしたぁー!!」


あれだけの量の菓子を、綺麗に片付けて一言。



『悠紀仁、顔に黒蜜ついてるよ。』


顎を掴んで上を向かせ、舌で舐めとってあげた。




目が合って、何と無く見つめ合ったまま無言で時が流れた。



『……リビング行ってさ、膝の上に抱っこしていい?』



そのまま、悠紀仁が一度だけ頷いた。





だって。
抱きしめいないと泣き出しそうな顔をしていたから。




情緒不安定な時は、人の体温が恋しくなるんだよ。

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