極楽蝶華
どっちが好き?
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「何ですか?奈緒先輩。」
「ここ、間に座って。」
促されるまま、横に腰を下ろす悠紀仁。
「ねぇ、悠紀仁は僕と俊どっちが好き?」
質問の意図を計りかねてか、首を傾げている
その拍子に絹糸みたいな髪の毛がサラサラ鳴った
「……そんな……選べないよ。2人とも大切な友達だから、どっちが好きかとか……わかんないよ。」
困ったように両サイドを伺う悠紀仁。
可愛いなオイ。
……じゃねぇよ。
メロメロになってる場合じゃねぇだろ俺。
『え……おまっ、……俺の事……好き、……って。』
「俊の事??
好きだよ?もちろん。」
『だっ……てお前さっき俺が「好きだ」っつったら抱き着いてきて可愛く「好き」って言ってきたじゃねぇか!!』
「さっき……って言うなよばかぁっ!!思いだしちまったじゃねぇかアホ!!
しかも可愛くないっ!!」
『涙目で……呂律回ってなくてスゲェ可愛かったじゃねぇかよっ!!』
何を主張してるんだ俺は。
「バッ……あ、あ、あん時俺大変だったから挙動がおかしかったんだよ!!
言わせんなばかっ!!」
膝を思い切りグーで叩かれた。
クソ、地味に痛い。
照れてんじゃねぇよコノ、可愛いなぁあーチクショウ。
「……やっぱ俊は意地悪言うから嫌いだ。」
ぷい、って顔背けて。
唇尖らせちゃって。
「俊のアホ……」
……理性飛ぶぞ?
「……じゃー僕の方が好き?」
「……奈緒先輩は好き。」
腰に回された手に答えるように、腕を奈緒の首に回してぎゅー、っつって抱きしめて。
ふてくされ顔見られたくないのか必死に俯く耳は真っ赤でオイコラどこまで可愛いんだよテメ。
周りにギャラリー無かったら理性なんてカケラも無くぶっ飛んでるわ。
「僕の勝ち♪」
とかほざいてるコイツはかなりムカつくので視界から外しておいた。
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