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極楽蝶華
交換条件
 
 

しばらくガン飛ばしあっていると、ゆっくりとそいつが口を開いた。




「あの、生徒会の人達が揃って周りに集まる生徒。」



「全校生徒にさ、二人しかいないんだよ。」


誰もいない校舎の中に、気配を感じる限りは二人きり


じわじわじわ、と蝉の声が響く。



「『ユウ』と『藤堂悠紀仁』」





「それに、生徒会だけじゃなくいつもいる友達も一緒。
椎名に、榊、鈴峰。三人とも藤堂と同じクラス。」



「それに、君が目撃されたのは……『藤堂悠紀仁』が転校して来てからだ。反論は?」






言われた言葉が渦巻いて、ちょっぴりパニック気味だった。




逃げる

駄目だ。それじゃあ認めてる様なもんじゃねぇか。


殴って記憶を飛ばす。

これも駄目だ。成功率が低すぎる。


ごまかす

……うーん。微妙……


とぼける

あ、これだ。




『何の事ですか?』


俺は、徹底的にシラを切る事にした。







「……言い逃れ出来ると思ってるの?」


『証拠がなきゃあのオタクが俺だって信じるやつもそういねぇんじゃねーの?』






にっ、と笑う目の前の顔。






「……親睦会……」


が、どうした。



「君が提出したネームプレート、一つだけペア組んだ人が分からない奴が一人いたんだよ。」



「親睦会は二人ペアなのに、おかしいよねぇ?」





『……チッ……何が望みだ。』


自分が不正に混入させた『藤堂悠紀仁』のネームプレートの事を言っているんだろう。


やんなきゃ良かった。無駄になったし。




「簡単な事だよ。
うちの部……新聞部の、インタビューを受けてほしい。」



あー、新聞部。それでいろんな事調べてあんのね。



『……何か楽しいことあんの?』


「写真も撮らせて貰うから。それで一、二面を独占。その号を高額でぼったくるんだよ。」


『……なんでよ。』


「最近うちの部資金繰りが苦しくてね。
ほら、……うちの部員が食堂で会長達の逆鱗に触れたらしくて。
そのせいで部費70%カットだよー。」


参っちゃうよね、と笑う目の前のひゃら男。

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