極楽蝶華 比べるもんじゃねぇ □■□■□■□■□■□■ 「……何で?」 「だっ……て……」 向かい合う獅子緒の肩に顔を埋める悠紀仁。 ……離れろよ。 離れてくれ。 殴られた所と一緒に心臓が締め付けられるような痛みが走った。 「……みんなして、俺の事騙して、……俺、そんな嫌われること、何かしたかなぁ、って……」 「ユウ……ごめんなさぃっ……」 俺とやりあった時、呻き声一つ上げず楽しそうに殴って来た獅子緒が 会長でさえてこずる、問題児が。 悠紀仁だけに従順して、恥も外聞も無く泣きじゃくって許しを請う姿は 自分の悠紀仁ヘの想いと どちらが強いのか 無意識に比べてしまった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |