極楽蝶華 漁夫の利 □■□■□■□■□■□■ 『それはさ、一対一で謝りたいな。』 「……何をされるつもりですか?」 『謝るだけ。悠紀仁が嫌がることはしないよ。 それに、ここでしたらまたぐだぐだになると思うよ? それは君も望んで無いよね?』 複雑な顔をした後、ぎりぎりの譲歩。 「……何かあったら、私をお呼びください。」 何回も念を押されて、奥の個室に悠紀仁が入って行った。 『じゃ、最初僕ね。』 「ふざけんな。」 「……横暴過ぎやしませんかね、久遠先輩。」 『ここは公平にさ、来た順でいいじゃん。』 「……じゃー俺が一番手だろ。」 「獅子緒、オメェーは最後だよ。」 「何で。」 「色々優遇されすぎだ。」 「半年も前から悠紀仁の傍に居た穴埋め。」 「……言うこと聞くと思ってる訳、俺が。」 「実力行使ならど〜かなぁ?」 『じゃ、行ってきます。』 「「「「あぁっ!!」」」」 まだうるさい4人を置いて、手早くドアを閉めた。 漁夫の利、ってヤツだね。 [*前へ][次へ#] [戻る] |