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極楽蝶華

 
 
新聞部、と書かれた腕章を付けた腕で無遠慮にボイスレコーダーを押し付けてくる、コイツ。

そう。コイツ。


『……何。』

「あなたの名前は?!クラスは?!恋人の有無は?!好きなタイプは?!生徒会の方々とはどのようなお付き合いをしてるんですか?!」



わー。ホント何こいつ。


うっっっっぜぇぇぇええ!


『……あんたらかよ。肖像権の侵害してくれちやったの。』


「あの写真の美少年ですよね?!認めて貰えたみたいです!!」


『……お前人の話聞く気ある?』


「とりあえずお名前は?!」



……はい。


はいはいはい。






……殺していい?


『そこを退け。五秒以内に。……蹴り飛ばすぞ?』


睨み付けると一瞬怯んだ。


ついでにそいつの胸を押しやって道を開ける。



俺の後ろでちょっとビビってた葉月先輩の手を握って笑いかける。

『ダーリン、授業始まるから行こー?』

「あ……う、うん……」


なんか周りがうるさくなった。



顔赤くしちゃって……

さては照れるダーリンに惚れたな?

……やらねぇーからな。


『なー、誠達もさっさと行こーぜ?うるせーよ、こいつら。』


「あ、いくいく。」

後ろから四人がダラダラついてくる。


「き、君の名前は?」


未だしつこく聞いてくる馬鹿。



『テメェに名乗る名前なんざねぇーよ。』


ひと睨みしてその場を離れた。

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あきゅろす。
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