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極楽蝶華
気付けよ鈍感
『……ねぇダーリン。このネックレスってなぁーに?』

横にいる葉月先輩に聞いてみる。


「……それはね、……うーん……【これは俺のモンだ】っていう主張の印……みたいな物。」



『……ふーん。ありがと。』


左側に向き直って俊の胸倉を掴む。



『……俺はモノじゃねぇんだけど。』


「あ、とりあえず黙ってろ、お前。
……だから、どのみち付けとかなきゃ襲われたとき最後までヤラれるかもしんねぇーだろ。
保険になんじゃねぇーか。」


……なんか俺のわかんない話題に移っちゃってる。


「……それでも、俊のだけ付けるって言うのは気に食わない。
……悠紀仁、これも付けて。」

「あ、俺も。」


金色に紅い石の嵌まった細身のタイピンと、銀色に黒い石の嵌まったゴツイ指輪。

それぞれを、奈緒先輩と猛さんが外してテーブルに置く。


『……さっきも言いましたけど、俺は物じゃありませんから。』


「あ、そんなんじゃなくてね。【特に仲が良い人に生徒会の人が伝統的に渡してるもの】って感じだから。

 気にしないで。」

「あぁ、そうそう。
それに……それ付けてるとお得だよ?誰からも喧嘩売られないし、授業は一部免除されるし。」

「だよな?葉月。」


「あ……はい。そうです。」


『へー……でもいいんですか?こんな高そうなの。』


「高くない高くない。」

「うん。全然。」



『じゃー、ご好意は素直に受け取ります。』


ぶっちゃけこれ全部すごいかっこいい。


ホントに欲しかった、っつーのが本音。


「俺のも付けろ」

って声と共に右から紅い石の付いた銀色のピアスが転がって来た。

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あきゅろす。
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