極楽蝶華
食堂内
(何か揉めてる不動達を残し)2階席に行ってから、でっかい生徒会用テーブルに葉月先輩と座って、まず最初に注文を済ませてから一息ついた。
……んで、俊が当然の様に隣に座って来て。
「俊……何勝手な事してるの?」
「うるせぇ奈緒。テメェは生徒会室でコイツ膝の上に乗せてただろ。」
「……にしても勝手すぎない?」
子供か??
……小学生の席替えじゃないんだから……
しばらくそんなガキ臭い争いを高見の見物していたが、お腹が減ってきたせいで本気で俊達の口喧嘩がどうでもよくなってきた。
いやまぁ最初から対岸の火事気分だったんだけど。
『はー……ダーリン、隣うるさくてごめんねー。』
「……ダーリン?」
『あ、うん。俺のダーリン。葉月先輩。
でねー、ダーリン、左から潤と誠と彰と不動。俺と同じクラスの友達。』
「……お前馬鹿か?……あの人達の前でわざわざいさかいの種になるようなネタを自ら、とか……」
『えー。何が?いや、馬鹿なのはわかってるけどさぁ、彰……あ!!来た来た!!』
俺が待ちわびたカルボナーラ!!
「……ゆきやん、パスタなら他にもっとメニューあるやん……何でよりによって生クリーム使っとるもん頼むんや??」
『気分。
え、生クリーム使ったパスタ、ここ美味しくないのか?』
ここで食べるもの食べるもの全部町のレストランなんか遥かに超える味を提供してるのに……よりによって生クリームものだけ?
えー、俺ケーキも好きなのに。
「……今度から一緒に食べるメンバーに関わらず、生クリームは避けた方が良いよ……。」
何だよ誠までー。
つーか生クリーム避けるのは無理だなー。
洋菓子はさぁ、あの油分と糖分とったらまろやかさが無くなるだろーが。
まぁいい。今の俺にはカルボナーラが待っている。
『いっただーきまぁーす』
うんわーうめー。
さっすがランチセット1人前2000円。
……でも、普通の店で食べたらもっと高いんだろーなぁー。
『……何……??』
顔を上げると俺をガン見してた――ほとんど全員(特に俊と猛さんと奈緒先輩と不動の視線が痛い)――と目が合う。
「あ……悠紀仁君、口の周りにクリームが……いっぱい付いてる……」
なんだか焦ってる葉月先輩が紙ナプキンで口を拭いてくれる……
『イヤーンダーリン優し……
……ぎゃわっ』
という新婚さながらのイチャイチャを満喫している最中、左側からいきなり腕を回されて、搦め捕られるように左を向かされて、変な声が出た。
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