極楽蝶華
2
『……何これー。』
「悠紀仁……それは僕たちの台詞だよ。」
灰斗……折角の可愛い顔が凍てつく笑みで台無しだよ??
そんな精神面への攻撃技どこで覚えたんだい?
『いや、先に喧嘩売って来たのあっちだもん。』
「……喧嘩??」
『うん。具合悪かったから手加減できなかったんだけ……』
俺の言葉はスピーカーから流れてくるオラオラ発言により阻まれた。
―ピンポンパンポン―
―ガッ……ブゥーン―
「……おぃ悠紀仁ぉっ!!――今すぐさっきの場所に来い。……待ってるからな。」
―ブツンッ―
「……何でこっちの悠紀仁が呼ばれるわけ?」
『きっと違う【ユキヒト】さんがいるんだよ……』
そう言ったら全員から
「「「んな訳あるか!!」」」
とのツッコミを戴いた。
「……で、実際は何やらかしたの??」
『……えへー。
……バレちったぁー。』
「んな可愛く言ってもお父ちゃんは許さんで?!」
『パパー……だって不可抗力なんだよぅ……』
だってだってあいつが噛み付いたとこまだ治ってないんだもん……
「悠紀仁……」
『なぁーに?誠。』
「……あんまり無防備に笑ったり、上目使いしたら駄目だよ……カツラも眼鏡も意味ないじゃん……」
盛大なため息をつかれた。
『なんで??』
あまり考えてなさそうな顔でヘラッ、と笑った。
「うん……もういいや。俺疲れちゃった。」
え?
ちょっと普通に酷くない??
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