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極楽蝶華
奈緒のお気に入り
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……まだ来ていないのか、敢えて黙ってるのか、中々名乗り出る奴がいない。


『おい……藤堂って奴どこだ。奈緒のお気に入り。』


痺れを切らして一番近くにいた奴に声をかけた。



「……っあ、あんなのっ!!王子のお気に入りなんかじゃありませんっ!」


確かこいつ……奈緒に纏わりついてた……。


……なんとか、ってヤツ。
(←興味が無い物は果てしなくどうでもいい)


『うるせぇ。いっちょ前に俺に吠えるな。』


睨み付けると肩がビクッと震えて全身で畏縮を示す。

『……で、何処だ?』


指を指した窓際。机に頬杖付いてるボサボサ頭が見えた。

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