極楽蝶華
ずっと
「俺、お前みたいな強い奴とやり合うのスッゲー好きなんだ。
最初に近づいたとき頭ん中で警告音が鳴ってた。……それと同時に、自分でも信じらんねぇくらいワクワクしたよ。もぉマジ、アドレナリン出まくって、正直怖かったけど楽しくて仕方なかった。
勝てるか解らない……研ぎ澄まされた日本刀みたいなお前の目――鳥肌が出るくらいゾクゾクした。 」
体中の血が騒いで、歓喜に震えた唇の端が上がった。
『俺も……お前が闘ってる所、……スゲェ好きだよ。
……一回、こうやって話してみたかった。』
「ふぅん……」
ユウの口角が少し上がった。
その厚みのある美味しそうな唇に、今すぐ口付けたい。
「……俺も。
お前が聞いてた通りの奴じゃなくて良かった。倒れてるトコ運んでくれたり……。ありがとな。」
こちらを覗き込んでた綺麗な顔が崩れて、
極上の笑顔が向けられた。
『……っ!!』
向けられた笑みに、頭ん中全部……持って行かれた。
ずっと
ずっと
ずっと
切望していた。欲しかったんだよ。
自分が、どうしようも無くなるくらい。
その蜂蜜みてぇな、甘い……笑顔が。
それを、俺に向けて欲しかったんだ。
ヤバイ
……スゲェヤバイ、わ……
……俺は……自分で思ってるより、こいつに惚れてるみたいだ。
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