極楽蝶華
停戦協定
伝え聞いた話――
最強最凶最狂最恐
喧嘩は手加減無し。
1対20でボロ勝ちしたとか機嫌悪いときに絡んだ奴は次の日一部記憶を無くしてたとか……
その手のエピソードなら腐るほど聞いてる。
……喧嘩相手の体調気にする、なんてハートフル☆な話聞いた事無いし……そんな性格してるようにも見えない。
首絞めてきたときなんか完全に目がイっちゃってたし。(IN生徒会室)
『……とりあえず一時休戦しない?』
これで話聞いてくれれば儲けもん。
はなから駄目元だ。
俺も自分の体調考えないで喧嘩売るほど馬鹿じゃないし?
なるべくなら揉め事は勘弁だ。問題起こしたくないし目立ちたくないし何よりめんどくさい。
それに俺平和主義者ですから。
「……分かった。」
拍子抜けするくらいにあっさりと受け入れられた停戦協定。
離された腕にくっきりと付いた手形が調印に見えて来たよ。
なんで聞いてくれたの?
なんて聞かないよ。
今更機嫌損ねて「なら一勝負すっか?あ?」みたいな事になって欲しくないし。
今やり合っても俺側の勝率は果てしなく低い。
まぁ……そもそも、去年の暮れのアレで腕力から格闘センスから経験、勘、運………スピード以外の全てのポイントで俺に勝ってたこいつに何で勝てたか世界のミステリーなんだけども。
『あとさー。……寮に戻んない?』
ここ虫多いー。
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