極楽蝶華
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それからまた改めて、「獅子緒がまだ高校生」と言う事実にかなり驚いて、
(予備校の講師として「光陵学園」の偏差値を知っていたらしく)悠紀仁に、転校先の学校名と確かに獅子緒先輩がそこの生徒かと言うことを何回も確認して目を白黒させていた。
「ま、まぁ良かったんじゃねぇの……飼い主が近くに来て……
……獅子緒身長いくつだっけ?」
「春に測った時は192……だった。」
「まだ伸びてんのか。……やっぱこの図体で16ってにわかに信じがてぇわ……」
「でも不便だ。ここまでデカイと既製品じゃ服が無い。
売ってるサイズじゃぜんぶ、袖も丈も長さ足りねーの。」
「……夏休み、米軍基地の近くの服屋連れてってやろうか?外人規格の服置いてあるからお前サイズのもあるぞ、多分。」
「マジで?行く行く……あー、……アリガトーゴザイマス、雅宗さん。」
悠紀仁にされたらしい躾の成果か、ワンテンポ遅れたもののお礼の言葉を口にする。
その横で二人の話を聞いていた悠紀仁が、まるで「少し寄越せ」とでも言いたげに二人をじとっと見上げていて、
その不機嫌な顔が可愛すぎで思わず笑ってしまった。
……悠紀仁、ちなみに俺もまだ成長期だから。
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