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極楽蝶華

 

「一方的なガチャ切りの後連絡がつかなくなったのは何でだ?」

「……新しい学校、全寮制で敷地内でフツーのケータイ全部圏外で……」

「そうらしいな。敦からその話は聞いたよ。
……お前は夏休みになったら戻ってくるつもりだったって言うけど、それまで週3で来てたヤツがいきなりいなくなって……俺含めたみんながどんだけ心配したと思ってんだ。」

「うっ、……きちんと連絡しなかったのは、ホント……スイマセンでした。」




さっきまでもチームの連中に寄ってたかって小言を言われていたが……
悠紀仁がトモさん、と呼んでいたここの店長と同じく、雅宗とかいうこの男にもあいつは頭が上がらないらしい。


……殊勝な顔しちゃって。



「お前がいきなり消えたせいで獅子緒のヤツが大変だったんだぞ?
……早速、嗅ぎ付けて来てるみたいだけど。」

「……そう言えばさっき聞き逃したんだけど、レオ……また何かやったの?」



その言葉に、獅子緒先輩が目に見えて焦りだした。……悠紀仁が消えた、と聞いたあの男が、どんなに取り乱して……それを宥めようとした周りがどんな迷惑を被ったか。うわぁ、めっちゃ簡単に想像できる。



「お前と連絡つかなくなってまず情緒不安定になって、ユウが通っていた高校の職員を締め上げて通報されそうになり、学校やめたときにはまだ転校先が決まってなかったとかで何も分からなかったと落ち込んで荒れて、引っ越し先を知らないかとお前が住んでたアパートの住民や大家に詰め寄り……後なんかあったか?」

「マサさん、この店この店。」

「あぁそうだ。終いには俺らが隠し事してんじゃねぇかと疑って、殴り合いになって……店の中いくらか壊して……いくら叱っても聞かねぇから俺とトモさんで店から蹴り出したんだよ。
頭冷やすまでその面見せんな、つって。まぁ……幸いにも重傷者はゼロだ。アザか打ち身くらいは出来たけど。」

「……レオっ!!」

「はっ、はい!」



話の途中から目に見えてどんどん怒っていった悠紀仁に、未来予想が出来ていたのか……既に床に正座している。

雅宗と呼ばれていた男が、獅子緒先輩の右手首の包帯に目を止めてアレ、と小さく呟いた。

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あきゅろす。
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