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極楽蝶華
きっかけは?
 




「おっ、お前、未成年だったのか?!」「ライが高校生とか嘘だろっ?」「ユウさんと同じ学校にお前が?!」「絶っ対っに!出席数足りねえだろ!」


口に出した言葉は全員バラバラだったが、どれもこれも至極まっとうだった。
……まぁ、間違っても高校生には見えないよなぁ、獅子緒は。

転校前の悠紀仁も、公立だけど進学校として有名な学校に通ってたし……うちの学校でも獅子緒は異質扱いだもんなぁ。「お坊っちゃん学校」扱いならそこに通ってるとは思わないよね、確かに。

「いや、でもレオは成績良いらしーよ?」

「マ、マジかよ……」

「俺はそれより先にライが現役高校生ってとこでまず頭ついていかねーんだけど……」







正確には獅子緒は……僕や村上みたいに全教科の成績が良いわけではない。

初等部までは確か全科目満遍なく高得点を取っていた。が、中等部に上がって欠席が目立つようになって……試験にすらろくに出席せず、1年もしないうちに1番下のクラスまで落ちたと聞いている。

何故か人気はあったせいで、あいつが3年のときにはついに選挙で1位になってしまい……(それまでは生活態度から、役員に指名された事はなかった)
それでもまぁ、会長職なんてコイツがやるはずもなく、生徒会には所属していたものの活動らしい活動は在任中ついにしなかったと聞いている。

エスカレーター式とは言え、このままじゃ高等部への進級試験にすら受からないだろうと思っていたんだけど。
……校内でまた問題を起こした獅子緒が理事長と面談して、謹慎から戻ってきた時には既に「数学科特待生」としてAクラスになっていた。

どういうきっかけで気付いたんだろう、理事長は。
獅子緒の成績表と内申書は見てみたけど、僕は獅子緒が特待生になるほど数学得意だなんて全然分からなかったのに。

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あきゅろす。
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