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極楽蝶華

 

「そっ、総長っ!誰なんすかあの男……」

「へ?
……いやだから、俺の友達。転校先の学校の先輩で。」

「それより先にっ!何で連絡もなしにひと月近く消えたのか説明してくださいっ」

「悪い悪い、転校したの山奥の学校でさぁ。ケータイの電波入んねぇんだよ。
それよりちょっと……」



騒がしい周りの言葉を遮って、僕の方を伺うように視線を向けてきた。
招いたホストは自分なのに、僕の事を初対面の人の中に放置してしまうのを気にしているんだろう。

『僕なら平気だよ。
ずっと連絡してなかったんでしょ?言い訳もあるだろうし……その間こっちでの悠紀仁の話でも聞いてるから。』

「え、ちょっと、あんまり変な話聞き出そうとしないでくださいよ?」

『……それ、ここの周りの人が悠紀仁の変な話知ってますって言ってるのと同じじゃないかなぁ。』


しまった、と言う顔をしたまま、引き摺られるように悠紀仁は4人に連れていかれた。
まったく、変なところ聡いくせに、普段はこんなにうっかりが多くて可愛いんだから。


ま、調度いいかな。
悠紀仁と少し離れてる間、僕の知らない悠紀仁の話も聞けるし……ついでに、牽制も出来るし。

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