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極楽蝶華
僕の好きな子の知らない事
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チーム、とか具体的な事なんて全然分からない。
俊も、周りから「チーム」と呼ばれるもののトップにいたけど。
「周りが勝手に寄ってくるだけだ」と言っていたアイツから詳しい話は聞いたことはない。

俊と同じ相手好きになるとは思ってなかったけど、好きな相手がチームに所属していて、周りから「総長」と呼ばれているかもなんて考えてみたこともなかった。
悠紀仁から話だけは聞いてたけど実際目にすると驚きもひとしおだ。

悠紀仁の話を聞くまでは、「チーム」ってものに対して「社会不適合者予備軍と不良達の集まり」ってイメージしか持っていなかった。
「俺らはバイクと車と、みんなで騒ぐのが好きな連中の集まりですよ」なんて言ってたけど。
そんな平和的な活動内容をしている「チーム」なんて悠紀仁の所だけだと思う。

「おいすー
みんな久しぶっ……?!」


「総長ー!」
「総長久しぶりっす!!」
「なんで連絡してくんなかったんですかっ」
「ユウさんどーしていきなり消えたんですかぁっ!
あぁぁぁもう心配したんですよぉぉっ」

どたどたどた、とドアノブを握ったままの悠紀仁に4人ばかり突進してきた。
抱きつかれた勢いによろめく悠紀仁の肩を受け止めて、後ろに見える第2陣を目で牽制して立ち止まらせる。


『……始めまして、悠紀仁の友達の久遠です。』

威圧を込めて4人を睨み付けながら、抱きついている腕を刺々しく全部引き剥がした。

やれやれ、やっぱりここにも相当ライバルがいそうだな。


悠紀仁の腰に手を回す僕に突き刺さる敵対心満載の視線を受けて、わざと余裕綽々といったふうに笑ってやった。

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あきゅろす。
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