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極楽蝶華

 

「ワゴンが1台、8人乗りの型だよね?2台は5人乗り。……運転手以外に3、3、6人に分乗でいいかな?悠紀仁はいつも誰の車乗ってるの?」

『決まってるワケじゃないんですけど、……ヨリの運転荒いから青のRX以外かな。』

「じゃあ智則さん、て呼んじゃっていいですか?
よろしくお願いします。」


言うや否や黒いクーペの後部座席に押し込まれて奈緒先輩と並んで座ることになった。
一瞬、あんまり突然だったので思考が停止していた……が、人当たり良さそうな顔して愛想良くこの車の持ち主に声をかける傍若無人の主を確認して、

いつも通り抵抗することなく今起こっている状況を受け入れた。
……うん、別に不満があるわけではないし。





はー、トモさん、12人なんて大人数で押し掛けるのを快く許してくれたどころか、「腕ふるってやるからさっさと来い」なんて懐の深い一言を頂いて感謝感激。
あんな度量の大きい男になりたいわー俺も。



気分はすっかりこれから待ってる晩御飯に飛んでて、

あちが智則の助手席に乗り込んで、何かに怯えるように出発を急かすのを見ても何にも思わなかった。




「……RX、に乗ってるのは椎名と鈴峰と榊……

……残った連中……ワゴンの中すごい面子だなぁ。」


ま、僕に関係ないけど。
奈緒はそう呟いてバックミラーから隣へと視線を戻して見なかった事にした。

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