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極楽蝶華



「ドッペルゲンガーでもストーカーでもねぇよ。」

「……俺そんなにヘラヘラしてないと思うけど……でもまぁいっか。見分けついたのは悪い気しねーし。」



ダークスーツに身を包んでいたせいで視認性が落ちた俊が、猛の後ろからぬっと顔を出して3人を睨み付けた。


「おぉ、見比べたら一発で分かった!」

「出たなムッツリスケベ!」

「あっち行けストーカー!」


「ス、ストーカーじゃねぇよっ!」







『おい、誠、……と彰と潤も。何震えてんの?』

「何でもな……グブッ、クク……ない、よ。」

「アカン……ダメや……笑ってまう……ククク……ッ!
ス、ストーカー……ブッ」

「やめろ、つられて我慢出来なくなるから、やめろっ!」

「でも俊ニィ、あんまり焦ってどもってるあたり、ストーカーって結構自覚あったんじゃないすかね。図星っしょあれ。
しかも、むっつりスケベ否定してねーし。」


「んぐっ、ぅ――――!!」
「透、い、今の一撃はひっ、卑怯すぎ、っ……グブッ、」


『誠、笑いそうなの我慢してんのか?すごい顔になってるけど。』


3人からしてみたら、役員補佐と言う好待遇のバイトを見付けた今、下手に先輩達の機嫌を損ねたくはない。
悠紀仁がいるとは言え、同じ部屋の中でこれから長い時間過ごすというのに……会長の目の敵になんてされたら堪んない!との思いで顔面百面相をしながらこらえている訳だ。


「んぶ、へー……き……」


腹筋に力を入れながら息も絶え絶えに答える誠をちょっぴり心配しながら顔を覗きこんでみた。
……すんげぇツボに入っちまったみたいだな。


『大丈夫かー?……これ飲む?』

飲みかけだけど。


「あ、ありがと、助かる……」


ペットボトルを受け取って、やっと一息つきながら中身を喉に通す誠


を見て、ちょっぴりイタズラ心がむくむくした俺が悪いとは思う。



『……むっつり』
「ぶっ――!!」

「おっひゃあ…!な、なにまこちんいきなり!ぜんっぶ俺の背中にかかったやんっ!」

「ごめん、けど、違うっ!今のは悠紀仁が、くくっ、笑わせるから……」

「オイ、見てたぞ、計画的な犯行。」

『違うよ彰……今のは、最初っから笑わそうと思ってたんじゃなくて……』

「ゆきやんっ!」

『ごめんって!
こんなうまいこと噴き出すと思ってなかったんだよ〜』

ヘッドロックかけられて、潤に頭を拳でぐりぐりされながら怒られた。
悪かった悪かったごめんごめん。

それにしても、俊のむっつりすけべストーカーネタでみんな笑いすぎだと思う。

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あきゅろす。
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