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極楽蝶華
十分に子供好きだろ
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腹が減ってきたためどこで飯を食おうかについて、
「ろくな連絡せんと消えたお前のこと、チームの奴らがどんだけ心配したか想像してみぃ。
先輩方そんなわけでえぇよな?」
とのあちの一言により、明確な目的が出来たので久しぶりにVogueに顔出しがてらそこで晩飯食ってから学園に帰ることにした。

ふぅ、危うく、昼に初めて体験したジャンクフードが大層お気に召さなかったらしい奈緒先輩に高そうな店に連れていかれる所だった。

「支払いは心配しなくていいから」って、どうせそう言うだろうってのを心配してんですよこっちは。





「お前、予想通りっつーか、子供好きなんだな。」


予想通り、って何だよ俊。
俺が子供っぽいから子供と気が合いそうだなーって事か?あ?


『子供が好きって訳じゃねーよ。まぁめぐちゃんとナルは好きだけどさー。』


空が赤く染まり始めた時分、相手をしていためぐちゃんを上の住居の方に送り届けてカゴメさんの店を後にした。
日が長くなったせいで、ケータイの待ち受けを見るまで時間を認識していなかったよ。


そして、時刻を確認した途端に空腹がより酷くなる。人間の体ってやーね。



「え?……だって、悠紀仁今すごく楽しそうに恵ちゃんの相手をしてなかった?
とても子供が苦手には見えなかったよ?」

心底意外そうに奈緒先輩が声を上げた。

『いや、めぐちゃんは好きですから。……だけってワケじゃなくて、良い子なら。
……そうじゃない子は苦手っつーか。』


「良い子、って?」

『うーん……挨拶と、ごめんなさい、ありがとうが言えて……殴ったり蹴ったりしてこない子かなぁ。
恥ずかしがって言えないって子は、まぁ微笑ましいからいいんですけど。
そうじゃないクソガキってほんといるんですよ。子供相手にやり返すわけにもいかないし、よその家の躾に口出してごめんなさいくらい言えって叱る訳にもいかないし。

あ、赤ちゃんは別ですよ。泣くのが仕事だし。
子供好きって人はホント尊敬します。俺は無理ですね〜めぐちゃんみたいな良い子と一緒に遊ぶのは楽しいんですけど。』


「……挨拶出来て、ありがとう、ごめんなさいが言えて、暴力的じゃなくまともな振る舞いが出来てれば相手するのは嫌じゃないんだ?」

『嫌じゃないどころか、良い子の相手なら喜んで。
楽しいし、癒されるんですよね〜なんか。良い子達が嬉しそうに笑ってたり喜んでくれたりすると。』


それを「子供が好き」と言うのではないか、
世の自称「子供好き」も、その「良い子」のカテゴリに入らないくらいのクソガキの面倒を見るのは流石に匙を投げるだろう、
とか

色々思うところがあったが奈緒は言葉を続けるのを諦めた。

「……まぁ悠紀仁だしなぁ。」

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