極楽蝶華
6
危なかった、めぐの友達の親(特にお母さん)に不信感抱かせる所だった。……思い付きもしなかったよ……
智ちゃんに「カゴメさんは、その場にいない人の気持ちを想像するの苦手なんだから気を付けなきゃだめよ。」ってさんざん言われてるのに……
目の前にいる人の考えてることなら、わかるんだけどなぁ。
『でも、いいの?
わざわざプレゼント用意して届けてくれなくても、ユウちゃんさえ良ければ……僕達がめぐが好きそうな雑貨か何か、【ユウちゃんから】って言って渡しておくけど?』
「えっ?
いやいや、俺が好きでやってるんで。
めぐちゃんに折角懐かれてるんだから、モテ男の気分味あわせてくださいよw」
歯を見せて笑ったユウちゃんが、少しいたずらっぽく小首を傾げて僕の事を見上げた。
……ホントにユウちゃんには敵わないなぁ。
例えば僕が高校生の時に、知り合いの子供にこうやって懐かれたとして、少しも嫌がらずに心から喜んで相手が出来ただろうか。
年の離れた小さい子供の誕生日に、朝からプレゼントを持ってわざわざ出向くのを面倒臭いと思わずにいられただろうか。
こんなに良い子で、しかも(中身は)すごい男前。こんな細かい気配りも出来て、人の心を考えるのがすっごく上手。……壊滅的に、自分に向けられる恋愛関係の好意には鈍いけど。
ユウちゃんの中身なら、せめて普通の男性の見た目だったらさぞかし女性にモテただろう。
……こんなに綺麗に生まれてしまったせいで、女の子に敬遠され、男に尻を追いかけられて、ユウちゃん自身は普通の性癖の男の子なのに……不憫と言うか、なんと言うか……。
……周りに寄ってきてる子達に悪い子はいないけど、
腰を抱き寄せられたりお尻を触られるたびに、別段嫌がった様子も無く慣れた感じに手を払うユウちゃんに、少し同情を感じ得なかった。
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