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極楽蝶華




「ユウくん!いらっしゃいっ」

「おーうめぐちゃん、久しぶりー。お邪魔は……さっきまでしてましたー。」


しゃがんで両腕を広げてくれたユウちゃんに、めぐが飛び付いて抱き着く。

その勢いのまま立ち上がりながらくるくると回転するユウちゃんの腕の中、とっても嬉しそうな恵が見える。

……いや、別に妬いてないし。



「あっ……ライちゃんとー、あっちゃんもいらっしゃい。」

「おう」

「こんちわー、めぐちゃん。……いやもう今晩は、かな?」


やっと周りが目に入ったらしく、見知った顔に恵が挨拶をする。

その、微笑ましいやり取りをする後ろで面白くなさそうな顔をしている数人が目に入り、流石に呆れてしまった。


彰くん、潤くん、誠ちゃんはライちゃんの事をビックリした目で見ている。
ライちゃん……実は子守り上手くて子供に好かれやすいってのは確かに意外かもね。

村上くんと奈緒ちゃんは柔らかい笑みでユウちゃんと恵のやり取りを見て……
……見てるのは良いけど、どうして奈緒ちゃんが恵の誕生日パーティーの日程聞いて手帳に何かメモ取ってるんだろう。

さっき……大部金銭感覚の狂ったやり取りを目の前で見てたけど、「外堀を埋めよう」とか考えて当日何か送る気じゃないだろうな……

そんな心配にちょっぴり胸をハラハラさせつつ視線を戻した。


『ちょっと……!
4歳児相手に嫉妬して顔しかめないでよ。流石に大人げないよ……俊くんと不動くんと透くん。』


うちの恵が怖がるでしょ。そっちの事情子供に押し付けないで。

そう小声でちょっとたしなめると、ばつが悪そうに3人ともユウちゃん達から目を逸らした。


『まったくもう、よくそれで3人ともはるちゃんからOK貰えたね。
嫉妬して嫌な空気になって、誰が一番気にするかどうして考えられないの?』

ついつい叱り方が幼い子供にするみたいになってしまうが、しょうがない。
だってこんなに大きな子供躾けたことないし。

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あきゅろす。
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