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極楽蝶華




「別にね、マイノリティーだって事は分かってるし、……僕自身と、僕の趣味を了解して結婚した智ちゃんはいいけど。
僕、子供いるでしょ?」


まぁ確かに、万人の理解を得られるかどうかと聞かれたら、それは難しいと思う。

けど、なんか意外だった。……それに、あれだけ堂々としていたら理解者だって多く出来ると思うんだけど。


「趣味は一人か、親しい人と楽しめればそれで十分なんだよ。
好みって言うのは人に押し付けるモノじゃないからね。」

また頭の中を見透かされたかのようなカゴメさんの言葉に、ビビって冷や汗が出てきた。

ど、読心術でも使えるんじゃないだろうな……この人……




「それなら俺達が、近所の人にでも言いふらすとか考えなかったんですか?
悠紀仁達はともかく、他は初対面なのに。」

「思わないよ?
だって、ユウちゃんがここに連れてくる友達にそんな性格の悪い子いないもん。」

一寸の疑いすら持たないその返事に、ばつの悪そうな顔をした不動が改めて頭を下げた。


「嫉妬……しちまって、スイマセンでした。
あの、また商品取りに来るんで、ヨロシクお願いします。」

「ん?
別にいいよー。智ちゃんが喜びそうな話が出来たし。みんなホントにユウちゃんの事大好きなんだね。」


ニコニコ、と機嫌良さそうに続けられた言葉に先輩方が目に見えて慌てだした。


あぁアレか。悠紀仁への片想いがバレたら困るとか焦ってんのか。けど大丈夫だと思うんだけど。


「?何で今の流れでそんな事になるわけ?」

「僕がカゴメだって気付かなかったから、ユウちゃんが新宿でお酒が飲める店出してるような人間と顔見知りで心配しちゃったんだって。」

「はぁーーー?
ったく、何でお前らはそんな心配性なわけ?!過保護すぎっ!俺のかーちゃんかお前らは!!」


ホラ、簡単にごまかされてる。……普段のデレデレな様子知ってて単なる友情かお節介と思うなんてお前くらいだよ、悠紀仁。



「ハハッ
まぁ隆也君と奈緒ちゃんは、流石と言うか最初から気付いてたみたいだけどね。」


そっかそれで二人とも何もアクションが無かった上に面白そうに見物してたのか。
物見高いっすねー

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あきゅろす。
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