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極楽蝶華
なんとベタな
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向こうでわちゃわちゃやり取りしてる悠紀仁と先輩方はほっといて、こっちもこっちでせっかくのゲーセンを楽しむことにした。

んで、今は敦さんと彰が神がかった指さばきで格ゲーの対戦をしている。
『どうやったらそんな動き出来るんだよ』と思う。正直気持ち悪い。

彰。お前一応俺らと対戦するとき本気出さないでいてくれたんだな……

しみじみとそんな事思いながら彰の背後からなんとなく画面を覗いていた時


『?』


ふ、と俺の後ろを通って出口に向かう人の姿を思わず目で追った。
こんなゲーセンには似合わないスーツを着た美女の姿。その手には、さっきまで悠紀仁達を眺めながら嬉々として色々書き込んでいた手帳と、デジカメが握られている。


『智美さん、どうかしたんですか?』

忘れ物かな?
そう思って声をかけた。
だって、今悠紀仁は向こうで会長と副会長達3人に囲まれて争奪戦の真っ最中。彼女の自己紹介の通りなら見逃す筈がないだろう。

まぁ俺なんかは巻き込まれるのが怖いから一目散だけど。


「うぅん、違うの。もう帰るから、ユウちゃんに代わりに挨拶しといてくれる?」

『え?……それは、まぁ、大丈夫ですけど。』

この人らしくない。
目の前にいる友人への挨拶を人任せにするような人物に見えないってのもあるけど
さっき見たときはあんなに嬉しそうに悠紀仁達のやり取りを見てたのに、今はむしろ目を背けるようなその仕草に違和感を覚えた。


「私だって出来るならずっと見てたいんだけど。
今日はもう無理ね〜久々だし刺激が強すぎるしでまた鼻血出そうだから帰るわ。」


また?


「じゃーね、また商品取りに来るとき良かったらお喋りしましょ。」

上機嫌の智美さんがひらひらと振る手に答えながら一人ポツリと呟いた。




『いや……興奮して鼻血とか、漫画じゃあるまいし……』

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あきゅろす。
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