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極楽蝶華
ネコ耳
 



「罰ゲームじゃねーよ。
ユウが、可愛いっつってつけてくれたんだよ。」

「私みたいな可愛いげの無い人間が着けてどうするんですか、とは言ったんですがね。
喜んでらっしゃるみたいなので。」


村上先輩の頬がちょっと赤い。
ま、まさか……まんざらでもない、のか……?


まぁしかし、やっぱりと言うか何と言うか、悠紀仁の所為だった。
どうやら奥にあるプリクラコーナーの貸し出し用の小道具だと言う。


なぁ悠紀仁、俺、お前がこの二人にネコ耳着けて喜んでるその気持ちが全然理解できない。


「えー、
二人だけズルいです。俺も何か耳着けてこよーっと。」

何がズルいんだ、何が。

もう透は悠紀仁の興味を引ければ何でもいいらしい。


衣装とか小道具貸し出してるカウンターに透が向かう……後ろを不動もついていく。


不動……。



ふと気づくと、至極真剣な顔をしたネコ耳の二人から少し離れた所に智美さんがいた。


唇を震わせてすごく幸せそうな笑みを浮かべながら二人を写真に納めている。
何か呟いているようだがここまでは聞こえない。……でもまぁ、店での一件を考えると多分ろくでもない内容だろう。

しかし気になったので少し近くによって耳をそばだててみた。
好奇心は人を滅ぼすって言うけど探究心が人類を育てたのだからしょうがない。


「あぁっ……猫と飼い主、主人と秘書の立場は違えどどっちも下剋上の主従とか……っ!
主従とか……ッッ!!

滾 ら ざ る を 得ないっ!!
ご主人様には逆らえない二人が可愛すぎて生きてるのが辛いっ……いっそ二人でご主人様を可愛がってもいいのよ……むしろ可愛がるべきッッ」



案の定ろくでもない事だった。

内容が衝撃的過ぎて思わず二度見。
これなら年始に母親の実家で「ねぇ全寮制の学校ってホモとか多いの?」って興味津々で聞いてきた従姉妹なんかまだ全然かわいいもんだった。
智美さんが本気で嬉しそうなのがまた……うん。


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あきゅろす。
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