極楽蝶華
絶対に笑ってはいけない○○24時
今朝から、普段見ない生徒会メンバーを観察していて気付いた事がある。
会長は意外と神経質で、琉崎副会長は思ったよりがさつ、透君が実は1番マイペース。
思ったことすぐに口に出すし、自分の興味がある所にしか目が行かない。
会長は……意外にも、確かに口ぶりは【俺様何様】ではあるが全体に目を配っていた。
琉崎副会長は兄と違って全体的に大雑把。それは二人のゲームスタイルにも色濃く出ている。
会長の方は細かくギアチェンジしてライン取りも意識してる。琉崎副会長は接触で速度落ちた時くらいしかギアを触らない。
副会長の方が金髪になってるとは言え、今は二人が違う人だってすぐにわかる。
なんで壇上の二人の見分けがつかなかったんだろう。
そんなしんみりした気持ちになって、
「今日は先輩達に話しかけてみようかな。村上先輩と獅子緒先輩はまだ怖いけど、取り合えず琉崎先輩達と久遠先輩には。」
なんて考えていると
入って来た時から感じていたけれどあえて見てないふりをしていた違和感(地雷)を琉崎家末っ子が踏みに行った。
「先輩達何でそれ着けてるんですか?罰ゲームですか?」
背後からこんな台詞が聞こえてきてリアルに胃がキュンとした。
ねぇ、何で君そこ突っ込んじゃうの?
どうしてそこに触れる勇気があるの?
俺は固まったまま振り向いた。
そこには見間違いでも何でもなく、クレーンゲームに張り付いてる獅子緒先輩と村上先輩がいた。
「何ですか?それ、ネコ耳ですよね?
どこにあったんですかそんなの。」
そう、二人の頭にはネコ耳が生えていた。
いや、生えてるっつっても正確にはネコ耳のついたカチューシャを着けてるんだけど
それでもやっぱり異様な光景にしか見えない。
ちなみに村上先輩は黒、獅子緒先輩は茶色のネコ耳。
髪の毛の色に合わせてるんだー、へー、
と自分を納得させようとしても、無理だった。オシャレアイテムに見えない。
しかも、あの二人は冗談とかそう言うのをやるキャラじゃない。
俺だって、潤や彰や悠紀仁や不動があれ乗っけてたら笑い話に出来る。
『可愛いじゃんwwwにゃーって言ってみろよwwwww』
なんて笑って茶化せるのに。
ねぇ何であの人達真顔でネコ耳つけてんの?
先輩、あなた達そーゆーキャラじゃなかったでしょ?
どうリアクション取れって言うんですか、この一般小市民に。
これ周り(俺達)へのダメージの方がデカイから俺達への罰ゲームなんじゃねーの?なんて笑うに笑えないこの状況で考えていた。
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