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極楽蝶華

 


不機嫌そうに写ってるのも、可愛かった。あぁ、確かに、村上じゃねーけど悠紀仁は何しててもいつでも可愛いぜ?
けど、



『このカッコで笑顔で写真に収まってる……どうやった……んですか?』

「えー?それ言っちゃあ交換材料にならないでしょ?

で、どう?今日は見せるだけだけど、提供してくれた話の内容いかんによってはソレ、あげてもいいわよ?」






『……今日はくれないんですか。』

「あたりまえじゃないの。あなた達の夜の妄想のお供にするために撮ったんじゃないのよ?鼻先にぶら下げるニンジン代わりなんだから。
例え恋仲になってもユウちゃんの性格だと照れながらも女装してポーズとって笑顔で写真撮らせてくれるなんて有り得ないの解ってるでしょ?」


……確かに。





「うわぁぁっ!」


どんな話を提供すればこの写真を貰えるかと悶々と思い悩んでいたら、すぐそこで悠紀仁の写真ガン見したまま1mmも動かなかった猛が突然切羽詰まったような叫び声を上げた。

……何事だ?



「……天使じゃない、悠紀仁じゃねーか……」




…………は?




ポカーン、としててたら同じく写真を直視したまま固まっていた村上も口を開いた。


「全くもって激しく同意ですね……今まさに【天使である】に結論が収束するところでした。」


「マジ悠紀仁が可愛すぎて危うく天使と見間違えるところだったわ。」

「信じがたいですね……こんなに愛らしいのに天使ではないとは……」






「……えーと、うん。
そうだ、智美さん、この悠紀仁の写真誰にもかれにも見せたりしてないですよね?」


どうやら奈緒はもう触れないことにしたらしい。俺もそれに倣おう。

俺ももう触れたくない。


「え?モチロンじゃない。
【ユウちゃんの友達でしかも一緒にここに遊びに来る仲】なら悪い子がいないのは解ってるし。
その中から私の眼鏡に適うかつ一番最初に見せた写真を欲しいって言った子に見せて話持ち掛けてるの。ライちゃんにも見せたことあるわよ?」


つーことは獅子緒もまだ持ってない訳か。

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あきゅろす。
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