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極楽蝶華
変なヤツばっか
 


学ラン悠紀仁の写真をしまった財布を元通りケツポケに差し込んで、変態と変態の喧嘩を眺めながら嬉々とした表情でノートに何かを書き込んでいる智美さんの方をチラ見した。

そう言えば、さっき俺が悠紀仁と寮で同じ部屋って聞いた時からカリカリ何か書いてたな。


『ところで、何でこんなことしてくれるんですか?
もらえる分にはマジ嬉しいんですけど』

村上も《餌》っつってたし。
やっぱ何か交換条件てことか?



「あら、別にいいのよ?そんなに構えなくても。タダであげるつもりはないけど……これからユウちゃんとの進展具合を私に教えてくれるだけで、ね?」


すちゃ、とケータイを取り出して顔の横で軽くそれを振りながら、綺麗に微笑む。


「……それをした場合の僕のメリットは?」


連絡先の交換……した場合、何をしてくれる?
確かに、写真数枚で買収されるにしては少々デメリットがある。
連絡先の登録はともかく定期的に連絡して悠紀仁との恋仲の進展状況報告しろってことだろ?


『つーか、それ聞いてどうするつもりですか。』


確かに同性間の惚れた腫れたは珍しいけど興味本位で首突っ込んで来られるのはカンベン。

珍しいものを見るような目でジロジロ眺められるのはいい気がしない。



「え?
もう話聞くだけで萌えるしテンション上がるしユウちゃんに振り回されてモヤモヤしてるイケメン美味しいですっつーか総愛されのユウちゃん可愛いですってはぁはぁしながら悶える。
三度の飯よりユウちゃんが美味しい。」


『…………は?』


おい、ちょ、日本語で頼む。


「うーん、君達はさぁ、ほら、可愛いユウちゃん見てるだけで生きて行けるでしょ?胸がいっぱいになって顔がニヤけるでしょ?
私はあなた達みたいな子がユウちゃんを見て可愛いなぁってメロメロになってユウちゃんとイチャイチャしてる所を見てるのが幸せなの。」



…………なんか、改めて、だけど、変わってる人だな……

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