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極楽蝶華
どんより
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聞き出したいことや問い詰めたいことが山ほどある中、悠紀仁から「全寮制の男子校である」と、それだけを聞いてすぐにまたカウンター奥へと走っていって見えなくなってしまった。


「……ユウちゃん、とナオちゃん達……同じ学校なの?」


カゴメさんが久遠先輩や他数名に視線を走らせた。
当たり前か。今日は私服だって所為で琉崎長男を始めとても高校生には見えない奴が多い。
何だアイツの格好は。本職のホストかなんかにしか見えねーんだけど。


「え?えぇ。悠紀仁が少し前に僕達のいる学校に転校して来て……学年は違いますが澤村以外のここにいる全員が同じ学校ですよ。
透だけは付属中学の3年生ですけど。」


「全寮制……はるちゃんは大丈夫なの?ユウちゃん恋しさに発狂してそうなんだけど。」




「……してるかもしれませんねぇ。」

確かに、あの父親なら有り得る。
この前深夜に電話かけた時も消耗しきってた様子だったからなぁ……


「あら、はるちゃんに会ったの?」

「悠紀仁のお父さん……ですよね?悠紀仁にべったりで悠紀仁が好きすぎて去年の自分の誕生日にコスプレさせて写真撮ったっていう。」


あの人は人間違いしようがねーからな。どうがんばっても。

「そうよ……間違いなく本人に会ったみたいね。【いいよ】って言ってもらったの?」


……通過試験、のことか?

最初に恋人に見えるよう思わせぶりな行動とって、どんな反応するか見るヤツ。

その時ヤキモチ妬いて悠紀仁傷付けるような言動とる奴はその後友人として傍にいる事すら許してもらえないっつーアレ。

……そう言やぁ俺、悠臣さんに会う前にあの人が悠紀仁の父親だって聞いちまってたから……通過試験受けてなくね?


い、いや、でも、悠紀仁がどんな行動とってもヤキモチ妬かないって自信は……


思い出す、自分の言動。生徒会メンバーや周りの生徒等悠紀仁を性的な目で見てる奴らどころか彰達や三船センパイにまで対抗意識燃やしてた……な。
思い返すと、我ながら独占欲が強過ぎる。

今朝も、男遊びの物音や外聞悠紀仁に聞かれてたっつーことにパニクって思考もろくにできなくなって結果悠紀仁傷付けたし。俺最低。

後から考えると、解るんだよ。……でも、好きなヤツ出来るとか初めてだから、現在進行形でイレギュラーが起こるとまともな対応が全然出来ないんだよ。
……マジで、言い訳にしかならないけど。


……悠臣さんが悠紀仁の父親だって知らなかったら、俺、試験受かってないんじゃね……?

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あきゅろす。
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